「御殿場の家Q1」では桁上断熱の施工がはじまりました。桁上断熱工法の利点は気密、断熱性能にも効果的ですが、もっとも力を発揮するのが天井面の水平剛性確保です。小屋平面区画(簡単に言えば2階の天井)に一般的な手法である火打梁で小屋構面をとっても0.15倍~0.48倍程度しか確保できませんが、桁上断熱仕様にして910㎜間隔に梁桁をいれ、24㎜合板で4周釘打ちすると3.0倍の小屋構面が確保できます。
過日の2021年9月15日、2020年度「新住協」総会&研修会リモートバージョンが開催されましたが、新住協代表理事の鎌田先生の研修会講演でも議題にあがりました。
小屋構面の強度を最高に確保する!とは専門的なので、簡単に説明させていただきますと?段ボール箱で実証です。(笑)こんな住宅があったとします。
小屋構面が弱い住宅では、水平方向に強い力が加わると「ひしゃげて」しまいます。ん?ひしゃげては方言かもしれません(笑)ねじれます。が正解かもしれません。
一方、小屋構面が強い住宅では、ひしゃげにくいです。(まがりにくいです。)
地震や台風に強い住宅。そして快適な住宅はこれからの時代必須かと思います。
「御殿場の家Q1」では、小屋構面の強度を確保し、気密性能の確保工事がはじまりました。小さなタッカーの針穴にも気密テープ処理です。大工さん丁寧なお仕事ありがとうございます。
やっと母屋・棟木まで施工完了です。桁上断熱工法のメリットは沢山ありますが、デメリットは材料そして手間がかかることですね。でも、それ以上に性能が向上することが大切であると僕は思います。
その後は315㎜の断熱材施工です。端から端まで隙間なく、ビッチリと詰め込んでいきます。余分な下地がないので、隙間なくビッチリ挿入できるので、断熱欠損も少ないです。ただ手間かかります。(笑)
真っ赤な断熱材があったか(涼し)そうです。夏季の太陽光による室内への直達日射を防止するために南側軒の出は1.000㎜になっています。なのでタルキ太さは105㎜の太いタルキを使ってます。もちろんこの寸法も許容応力度計算による構造計算を行って寸法を決定していきます。会津特有の積雪荷重も計算にいれてあります。
3層に詰みこまれた高性能グラスウールです。
屋根からみた会津磐梯山がとても綺麗でした。画像左側に写っているのは断熱材です。建方の時に屋根に断熱材を用意する工法はなかなか見ないので(新住協メンバーには当たり前のことですが!)隣で施工している大工さんが、「なんか変わったやりかただな~?」と言ってました。(笑)
コロナ禍においても、新住協メンバー更なる品質向上のためリモート勉強会を行ってます。一人ではくじけますが、メンバーのみんなから活力いただいてます。ただ、僕の机の周辺が汚いのはお許しください。(笑)
齋藤 一栄
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